【ノウハウ・事例】新規事業の簡単アイデアだし

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

 

新しい取り組みや既存のサービスや製品の改善のために課題抽出・検討する際に「様々なアイデアだし」が行われています。

一番メジャーなのはブレインストーミングという手法ですが、中小企業でも若手社長で、若い社員が多い組織で取り組んでいるケースが多いように感じます。

また、その他の手法も含めて民間、公的機関が「アイデア出し」「デザイン思考」「コンセプト思考」等の講座を展開し年々増えていますね。

 

参加する目的としては、新規事業の開発や新製品、改良等が挙げられます。

(社長に無理矢理行ってこいと指示されてきている方であっても、何らかのミッションをお持ちだと認識しています)
社長や従業員がそれらの講義等に参加して、用意されているステップ(フレームワーク)を体験すれば、いきなり成果は出なくとも考え方やまとめ方を知ることで新たなチャンスを生み出せる可能性が出てきます。また、社内でアイデア出しが自律的にできる体制を作れることも長期的な魅力といえます。

しかし、「企業様によっては人員が不足している」「社長が外に出られない程忙しい」といった場合、訪問支援で「アイデア出し」「今後の事業の柱についての検討」に対応をしてもらえないか、ご相談をいただくことがあります。


必要なワーク(フレームワーク)ができる回数を見積もって講義並みにできれば構いませんが、与えられた回数が数回程度の場合は、なかなか大変な取り組みとなります。
PEST、3C、SWOT等の自社の内外の環境分析から、アイデア出しのためのツール等を一通り取り組むということであれば困難ですが、フレームワークは考えをまとめる手法であるため、全てをやらなければいけないわけではありません。

そこはオーダーに対応すべきだと思っています。

流れとしては以下の通りです。

ステップ1:アイデアのスクリーニング(抽出)

訪問1回目。社長の想いや考えを確認するフェーズです。

私は、簡単なアイデアのスクリーニング手法を行っています。

かなりフレームワークに慣れている場合以外は、簡単な切り口で行うべきと考えています。
※社長が無口な場合はかなりきついですが、従業者に活発なタイプの人がいる場合は必ず参加してもらうようにしています

 

ステップ2:具体的なシーンを考える

なるべく多くの従業員を集めてもらい、アイデア抽出のワーク、仮テーマを設定していきます。
1回目の訪問時に「多くの従業員の参加」と「アイデア出し」を宿題として依頼し、取り組んでもらっておく必要があります。
※全然できていないケースとできているケースに極端に分かれるのですが、女性が入っているとしっかりとできている場合が多いですね。


「自由な」ブレインストーミングで何でも好きなことを話してみてくださいというのは一番難しいので、例えば製品開発の依頼であれば、以下のようなテーマを事前に渡し、ある程度心のハードルを下げる必要があります。

もちろん、例示も含めて提供します。
例示についてもよくわかるものでないとステップが踏めないため、上手くいかないことがあります。

 

例示を見てわかるように、企業が慣れているのであれば付箋に書き込んでボードに貼り付けるワークをしますが、意外とシャイな方も多いため無理はしません。

 

そして、アイデアとアイデアを組み合わせたり、いつどこでなどのシーンを設定しながら、仮説となるアイデアをまとめていきます。

 

稚拙な事例ですが、これすらできないことがあります
稚拙な事例ですが、これすらできないことがあります

 

他にもアイデア出しの手法はたくさんありますが、慣れていない企業様が宿題としてできるのは、上記2手法くらいかなと思っています。

加えて宿題のスケジュールを必ず設定してもらうことで、初めてワークする際の問題を減らすことができます。 

普通にいきなりワークに取り組む際の問題

アイデアだしについては、付箋をホワイトボードや一枚紙に貼り付けるタイプが一般的でしょうか。

初めての方が多い場合、組織風土が邪魔することがあります(それもファシリテーターの腕かもしれませんが)。

 

特に、本来ブレストででてきて欲しい飛躍したような考えが、アイデアの批判を禁止にしても「はぁ?」という反応が出てきます(斜に構える人がいる場合)。

また、あるアイデアに被せる形で乗っかってさらに良いアイデアが出して欲しいのですが、これも人間関係で敬遠してしまうことがあります(俺の元アイデアがパクられた・・・先輩怒る)。

 

上記のような状況では、付箋をホワイトボードに貼って「ドンビーシャイ(恥ずかしがらずに!)」と促しても上手くいかないことがあります。

 

 

出てきたアイデアについては、以下のようにリアルタイムで皆様が集まった場で検証しますが、ここで重要なのはファシリテーターである私が、従業員のアイデアを否定しないことです。

ステップ3:アイデアの検証

仮テーマについて深堀をして、競合製品の確認・市場に隙間がないか(ニッチ過ぎない)、自社体制で可能か、ビジネスモデルとして可能性があるか等を多方面から検討します。

この時点で一応仮テーマ候補が揃いますので社長にこのまま進めるか、否か確認してもらいます。

 

GOという場合は、本当に可能性があるかを検討するため、PEST、3C、SWOT等の本格的なワークをやり直し、事業として本格的に考えていきます。
もちろんそのままアイデアのまま動き出して、形にしてしまうこともあります。

 

そこからは新規事業立案プロセスに移ります。

 

以上が3回程度の対応でアイデアを出す取り組みです。