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職業訓練を受けた人の活用について

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

企業の新陳代謝を政府が打ち出し始め、雇用のスイッチングコストを下げる仕掛けとして職業訓練校の活用が声高に謳われています。

東京都の話でいえば、城東、城南、中央・城北、多摩等に展開しております。

詳しくはTOKYOはたらくネットをご確認ください。


業種は、製造業向け機械、製図、建設・土木、造園、給食、プログラミング、システム構築、被服(ファッション)等多岐にわたります。
また、加えて民間に委託し実施しているプログラムとしては保育士や介護士、貿易、3DCAD、観光ビジネスのためのショップマネジメントまであります。
これらのメーニューに加えて厚生労働省のスキルアップのための教育訓練給付制度を含めると相当数の職業訓練が存在することがわかります。

 

これだけの訓練の取り組みがありますが、日本の職業訓練の支援については不十分だといわれます。

それはIT等の世界よりも「手に職系」の訓練が多いからかもしれません。

また縮小する市場ではなく、拡大する市場に向けた支援が必要ということでしょうか。

なお、ITを含めて訓練をしている間に新たな技術を生み出され、ゲームチェンジが起きてしまうほどのスピード感のある訓練は公的では見込めないかもしれません。

 

そういう現状から、民間における教育訓練給付制度による実践的な支援と雇用を結び付けようとしているのかもしれません。

最近では高度な資格の取得に対する支援に多額の資金を給付することになっています。

「国家資格取得に最大224万円の補助 スキルアップは国の制度を有効活用しよう」

 

そういった意味で高度人材は、大学や専門機関による教育訓練給付制度、基本的な業務は職業訓練校という切り分けといえるかもしれません。

 

中小企業の多くは、ハローワークや教育訓練校などに求人を出しており、職業訓練に期待する声は依然として高い状況が続いています。

中小企業様の社長さんと話すと、ITや介護等の人材が不足するコースへの参加においては概ね満足されているような気がします。

一方で、製造業等においては、工場毎にかなりのノウハウや仕事の進め方に合わせていくことが求められるため、あくまで最低限の水準という考えを持たれる方もいます。
また、全体的にいわれるのは社会マナー的な要素についても教えておいて欲しいという話もあります。挨拶もできない。謝ることができない。そんなことを製造業の採用担当者から聞くことがあります。

そこは非常に難しいことではありますが、社会的マナーが最初から整っていない人材は不要という絶対的な考えがあるの場合は、お断りをすればよいですが、受け入れる側も変わらないと採用、定着というステップにつなげていくことは難しいといえます。
社内でどのように受け入れていくか、育ててていくかについて議論し、社長だけでなく従業員、育成担当者候補も含めて考えていく必要があります。

そのためには会社が成長していく姿が前提でないと入社する人も会社に未来を描くことができません。

つまり、人の採用・育成においてもビジョンが明確になっている必要があります。

そのために力を貸して欲しいと訴えているわけですから、それなりに説明できる準備をしておいてください。

 

では、どうすべきかということですが、お勧めするのが、東京都中小企業振興公社が作成している人材・組織課題解決 ハンドブックです。

かなりの枚数でありますが、基本的な考え方から、育成、採用の仕方、労働契約、雇用保険など含めて総合的な情報展開をしているガイドとなっており、下手な参考本を高い金を出して購入するよりも理解しやすいといえます。

もちろん実務的には専門家の力を借りる必要があるかもしれませんが、基本的な事項を押さえたうえで活用するほうがより効果的です。

 

職業訓練校については、年々取り組みを強化しているということなので、引き続き期待するとともに、自社においても受け入れ態勢を整え、より能力と人間力の高い人材を確保していただければ幸いです。