【SWOT分析】事業再構築補助金の申請・書き方

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

========================================

このページは事業再構築補助金に係わる情報発信をしています。

以下のページにこれまでの情報発信をまとめていますのでご活用ください。

https://www.cyphsjp.com/money/jigyou-saikouchiku/wakaru/

========================================

 

事業再構築補助金の申請に当たって支援先の会社様が、どんどんチャレンジしようということで盛り上がってきています。大幅な事業転換を支援する制度が不十分だったため、事業転換や再成長に二の足を踏んでいた企業様の再考を促していることは確かなようです。

今回の補助金は意欲のある企業様に対して新たなチャンスとなることを祈り、今回は経済産業省が求める申請に当たって事前準備について説明するとともに、題名にも入れさせていただいた【SWOT分析】について解説していきたいと考えています。

事前に準備すべき事項とは?

事業再構築補助金の概要にも記載されていますが、事前の準備として以下について対応しておくように示しています。

推奨される準備事項

  1. 電子申請の準備
  2. 事業計画の策定準備
  3. 認定経営革新等支援機関との相談    

1.電子申請の準備

申請を迷われている方も登録だけはしておいてください。登録に時間がかかり、申請のタイミングを逸してしまえばせっかくのチャンスをなくす可能性があります。

https://gbiz-id.go.jp/top/

 

2.事業計画の策定準備

これが今回の題名にもある【SWOT分析】となります。事項以降解説をさせていただきます。

 

3.認定経営革新等支援機関との相談

税理士や会計士、中小企業診断士、コンサルティングファーム、金融機関等が認定されていますのでこちらについても、申請に当たって誰に頼むかを考えておく必要があります。

https://ninteishien.force.com/NSK_CertificationArea

 

認定経営革新等支援機関については、お近くの専門家を探すことが良いと思いますが、絶対に通したいというのであれば、実績のある専門家又はほぼ認定登録されている金融機関に依頼されることをお勧めします。

 

SWOT分析を考える

経済産業省は、以下のように述べています。

一般に、事業計画の策定には時間がかかります。

早めに、現在の企業の強み弱み分析、新しい事業の市場分析、優位性の確保に向けた課題設定及び解決方法、実施体制、資金計画などを検討することをお勧めします。

これは補助金申請が初めての方や補助金を給付金と間違えているような企業に対して申請が簡単でないと示していると考えられます。1兆1千億円の予算規模であれば、だれでもバラマキだと思って「簡単に採択されると思って」しましますからね。

 

加えて、考えるべきこととして、「早めに~お勧めします」の内容があります。

現在の企業の強み弱み分析、新しい事業の市場分析というのがSWOT分析に当たります。

 

◇SWOT分析とは

内部環境である「強み、弱み」、外部環境である「機会、脅威」を分析し、環境において自社の経営資源でどのように適合していくかを検討していく戦略策定手法です。

自社のやりたい方向性とSWOTを合致させる

孫氏の言葉で「敵を知り己を知れば百戦してあやうからず」とありますが、まさにSWOTを指しているといえます。

SWOTでは、潜在・顕在的との関係からみて、自社の強み、弱みを考えていきます。また、外部環境である機会や脅威を踏まえてどういった方向に進むべきかを検討していきます。

加えて、その前提として自社の経営理念やビジョンが明確化されている必要があります。

ビジョンとSWOT分析を絡めていく作業は初心者の方では難しいと考えられます。

 

<SWOT考え方>

事業再構築補助金に申請する上で必要なSWOT分析について解説します。

審査員は、経営的な視点を持ち合わせた専門家が中心となりそうですが、それらの方が何をポイントとするかを想定したうえで解説します。

 

①基本的には強みと機会で攻める

通常、自社が他社と比べて強いといえる機能や能力を生かしてチャンス=機会(外部環境)に対応する方が助成事業の成功確率は高いと考えられます。審査員も、ミッションとして確率が高い申請書を採択しようとするわけですので、基本的にはこの強み×機会に当てはまる取り組みを採用する計画を作成した方が良いでしょう。

もちろん、その強みが自社にとってチャンスといえる市場のポジションの中で、本当に生かせる強みであることが求められます(つまり、そこで戦う他社さんと比べて本当に強いかが重要となります)。よくあるのが、本当の強みが別にあったり、強みといえない強みで機会・チャンスを生かせないことですが、そうならないように支援を受ける認定経営革新等支援機関と相談してください。

②弱みと脅威は選択しない

自社の弱みと脅威に当たるものは申請しても採択の可能性が低くなります。

一般的には、勝てない喧嘩をする無茶な計画と捉えられるため、評価を得ることはできないでしょう。

もし、社長がチャンスと思って申請しようとした内容が、この枠内にはまる場合、例えば市場が縮小しており自社にとっては参入が難しい市場に進むことを考えられるケース等は、社長として「勝算」があっても採択にならないと思って申請された方が良いといえます。

もちろん、弱みや脅威が強みや機会に転換できることが明確であればこの限りではありません。

例えば、M&Aにより機能保管が可能、経営資源に厚みが出る等の事象の場合に限ってだと思ってください。

③弱みの克服(弱み×機会の選択)

チャンスがあるが、その市場や機会において自社の体制や能力が不足している、または他社が圧倒的に強いため、強みを持てないと判断できる場合です。これも①と比べて採点は低くなりますが、可能性がないわけではありません。今回対象経費となるシステムの導入により、営業管理の向上が見込める場合などは、強みに転換できると判断できるからです。

この枠で申請する場合は、自社が対応することで2~3年後の自社をどう変えることにつながるかを示してください。

④強み×脅威の選択

強みがあるのでどの市場でも対応できると考える方も多く存在しますが、市場が縮小、規制が多い、慣習がある、営業先がクローズのため開拓が難しい等の場合、いくら良い製品やサービスを持っていても参入できない可能性が高い市場を狙う場合は要注意です。

この場合のポイントとしては、自社にとって外部環境が制御可能な条件といえるかだと考えられます。自社で頑張っても変えられないものに、経営資源を投入しても失敗すると考えられるため、評価は低くなります。

これもM&Aで営業先を確保できる、業務提携で営業機能を強化できるので市場参入を克服できるなどのケースに限ってだといえます。

以上がSWOT分析の解説になりますが、上記例だけでは中々うまく記入することが難しいともいえますが、とりあえず自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)などのリソースをベースに検討しておいてください。

それを認定経営革新等支援機関に提供することで作成がよりスムーズになると思われます。

 

頑張ってくださいね!

10年に1度のチャンスだといえますので。