こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。
小規模の企業さんの多くで事業承継が始まっています。
親族内承継、第3者承継等様々ですが、引継ぎに失敗する事例として現場以外の仕組みの承継ができないことが挙げられます。
今回は一番多い親族内承継、子供への省について述べます。
主に、経理的なことです。
経理的な手法の多くは、その会社独自の考え方が反映されていることが多く下手に一般的な方法でやり直すと予想外の出費(税金)が発生するケースがあります。更には追徴などが発生するケースもありますので、税務署に認めいただいている適切な方法であれば、無理に手法を変える必要はないといえます。
次に、資金的なことです。
どのように資金繰りをやっていたのかと思っていたら「消費者金融」の利用であったり、代理店業務をしているところからの流用であったり、レジスター内ATM(レジスターのお金はいったりきたりするうちにブラックボックスになっていることがあり、そこにいつの間にか相当な金額が貯まっていることがあります)、親族借入(親の年金等)であったりします。
当座借越ができる会社の方が普通といえば、小規模に限ってはそうでないケースが多々あります。
今までは何となく金が回っていると思っていたら、親(特に母親)に厳しい資金繰りをさせていたことに気がつきます。
特に人間関係での借り入れだったりすると中々引き継げるわけではありません。
更には、支払いの調整です。
毎月の掛け払いですが、支払いのタイミングを調整してもらっていることがあります。
それも人間関係のなせる技です。
つまり、そういった属人的な要素で事業が回っていたということなんです。
息子さんや娘さんは正論を言うでしょう、「なんてテキトーな経営をしているんだ!だから儲からないんだ!」と。
しかし、多くの場合はその立派な御子息や御息女の教育費等が重くのしかかってきたということが多々あります。生きるために仕方がない状況と言えるケースが大半です。
従ってそういった仕組みを引き継がなくてもよいですが、その会社の金の周り方を知らないまま、奇麗に走ろうとすると茨の道が待っていることがあります。
よくある話ですが、会社の状況が良くない場合は、親はそういった事実を教えようとしません。
子どもが親に下手に正論をぶつけて、家族喧嘩になるからです。母親が経理であれば尚更です。そして、金遣いの荒い二代目等です。
一方、社長(父親)も母親に資金繰りを任せているため、当てにはなりません(もちろん事業実施は問題ないのですが)。
そんな中で親(特に母親)の死別による引継ぎ不十分なままで交代してしまうと、不幸が起きることが見えてきますよね。
いつが正解とは言えませんが、親の苦労をしっかりと受け止めてもらい、ノウハウとして承継することが重要だといえます。
新社長は現状を咀嚼し、理解し、問題を経験認識したうえで、新たな会社の金回り、方向性、改善策を考えていくべきです。
本に載っているように奇麗に事業は回っていないのですから。。。
まずは偉大なる先人に感謝を込めて。。。
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