【分析】業態転換での申請において最低限押さえておくべきこと

こんにちは中小企業診断士、ストリートコンサルタントのCyphs(サイフス)です。

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このページは事業再構築補助金に係わる情報発信をしています。

以下のページにこれまでの情報発信をまとめていますのでご活用ください。

https://www.cyphsjp.com/money/jigyou-saikouchiku/wakaru/

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事業再構築補助金の基金設置会社が中小企業基盤整備機構に決定しましたね。

また、中小企業庁が係わるセミナーにおいて今週中に公募要領の公開?を目指したいという話がありました。

各省庁の担当レベルの異動があるため、4月に発表が遅れるのではないかと考えています。

もう少しですね。

ただ、週刊ダイヤモンドオンラインなどでも難しいという解説があるように、中々初心者が簡単に申し込めるものではないと考えています。

 

まず復習ですが、当補助金は事業再構築指針に基づき「事業再構築」「中業企業卒業枠」「中堅企業グローバルV字回復枠」の3つのテーマが設定されています。

事業再構築テーマでは、新分野展開、事業展開、業種転換、業態転換、事業再生の5つのパターンを想定しています。

 

今回は業態転換において押さえておくべき事項について説明します。

 

1.業態転換とは

製品等の製造方法等を相当程度変更することです。

製品等はサービスも含まれますので、製造方法をサービスに置き換えると提供する仕組みを変えると読むことができます。

 

指針の事例でもあるように「リアルなヨガ教室がネット(手段)でサービスを提供」「製造業が製品の製造プロセスをAIで省人化」等のような取り組みが当たります。

 

〇業態転換の定義

・製造方法等の新規性要件

・製品の新規性要件(製造方法の変更の場合) 又は設備撤去等又はデジタル活用要件 (提供方法の変更の場合)

・売上高10%要件

 

2.製造方法等の新規性要件

①過去に同じ方法で製造等していた実績がないこと

これまで製造、提供してきた手法、手段とは違うやり方を模索する必要があります。

事例にあるようにWebを活用したり、生産プロセスを簡素化することになりますが、物理的に何かを投資してやり方を変える必要があります。

・飲食店であればWebでケータリング、 通販、移動販売車で提供プロセスを変更する

・学習塾であればWebによる授業の配信

・卸売業であれば倉庫のマテリアルハンドリングの向上や仕入れ先との発注システムのAIによる需要予測の強化等

・製造業であればプロトラブズやメイビーほどではないが、受注を適切にできるシステムを導入

 

②新たな製造方法等に用いる主要な設備を変更すること

これは他のテーマと同じですが、必ず設備投資に結びつける必要があります。

 

③ 競合他社の多くが既に製品等を製造等するのに用いている製造方法等ではないこと

現在の市場の競合他社も導入している手段の導入でないことを指します。

システムの導入は競合他社の導入テーマと何が違うかを示さないと、同質的なサービスを導入しているとして採点が厳しくなる可能性があります。

 

④定量的に性能又は効能が異なること(製造方法等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る)

他社の製品の提供方法、サービスの提供方法との違いが明確に示せることですが、製造業であれば明確な数字を示す必要ことが可能ですが、サービス業における手段の比較としては、違いをどのように示すかは検討する必要があります。

 

3.製品等の新規性の要件

①過去に製造した実績がないこと

②主要な設備を変更すること

③競合他社の多くが既に製造等している製品等では ないこと

④定量的に性能又は効能が異なること

 

サービス業と製造業で新規性の要件が異なるようです。

製造にかかわる場合は新規性の要件として「製品の違いを明確化することや設備の変更」「すでに製造しているか否か」「物理的な性能又は効能が異なること」が求められます。

 

一方サービス業などの場合はサービス自体の最終ベネフィット(効能)が変わるわけではないため、サービス自体の新規性が求められないといえます。

 

そのため製造業において業態転換を行うことはハードルが高いとわかります。

 

4.売上高10%要件

3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品等の製造方法等による売上高が、総売上高の 10%以上を占める計画を策定することが必要となっています。

 

ここで重要なのはこれまでのような新分野展開、事業転換、業種転換と違いかなりの高いハードルを越えて新たな取り組みを行うわけではありません(手段を変えることも難しいといえますが)。審査機関としては手段を変えるだけとも捉えることができます。

つまりリスクが低いわけですから、既存の強みを生かせれば(シナジーが効きやすい)それなりの売上増加は満たせると考えている事業となります。

指針の注釈にもあるように売上高10%増加は最低条件で、それ以上の成果を出すことも可能なビジネスモデルを検討することが採択において重要であり、思ったよりもハードルが高いことが分かります。

 

上記の3つの要件をすべて満たす必要があります。

東京都で実施している飲食店向けの業態転換事業のように業態といわれる手段を変えれば採択されるものではないようです。

 

簡単であるからこそ難しい取り組みですので綿密な検討をするようにしてください。